ハリーウィンストン 序章

浅い眠りから覚め、頭がまだ起きていない感覚の中、
あるテレビ番組で街角インタビューのコーナーをやっているのを何気なく目で追っていました。

毎朝やっている番組で、たしかお笑いタレントが司会をしていたと思います。
なぜか毎朝コーヒーを飲みながらこの番組を眺めているのが習慣となっています。

ちなみにその質問はと言いますと、

「あなたがこの世で一番綺麗と思うものは?」

さてあなたなら何と答えますか?

若い方から年配の方まで、微笑みながら、または照れながら話をしていました。

花、               海、空、               宇宙、

色んな答えがありました。
答えがその方の環境や価値観で決まるので答えは様々です。
何が正解というわけでもありません。
だって自由ですから

ちなみに奥さんという意見もありました……これも自由です。

でもその中で一人、「ハリーウィンストン」と答えた方がいらっしゃいました。

その方は、年は50代後半、上品な毛艶のある白髪が世田谷在住の社長婦人を思わせていました。
正確に言えば社長婦人ではないかもしれませんが、その方とすれ違った方は、
100人中99人が社長婦人と高い確率で答えるくらい誰が見ても上品で、物腰が柔らかくて、
時折見せる凛とした眼差しは、穏やかな雰囲気の中にも根強く形成された凛々しさみたいなものも垣間見え、
神戸の….いや関西のセレブ代表芦屋ではなく、東京のセレブ世田谷なんだろうとうなずける感じでした。

その方がそんなテレビの街角インタビューなんかに答えたのはほんの気まぐれだったはずです。
本来なら足も止めていなかったし、答えてもいなかったはずです。
私がそう決めつけたのはちゃんとした理由があります。

続く……